ゲリラ豪雨・線状降水帯への備え 家庭で「まず」準備したい水と食料の目安と具体例
豪雨への備え なぜ水と食料が大切なのでしょうか
近年、ゲリラ豪雨や線状降水帯といった集中豪雨が増加しています。このような大雨は、短時間で河川の氾濫や内水氾濫を引き起こし、私たちの生活に甚大な被害をもたらす可能性があります。停電や断水が発生したり、交通網が寸断されたりすることも考えられます。
災害が発生した際、すぐに支援物資が届くとは限りません。また、自宅が安全であれば、避難所に移動するよりも自宅で過ごす（在宅避難）方が、プライバシーや感染症対策の観点から良い場合もあります。
このような状況で、自分自身や家族の安全を守るために最も基本的な備えとなるのが、水と食料の備蓄です。電気やガスが止まっても、最低限の飲み水と食料があれば、数日間を自宅で過ごすことが可能になります。
まずはこれだけ 家庭で備蓄したい水と食料の目安
政府や自治体は、災害発生から支援物資が届くまでの期間を考慮し、最低でも3日分、できれば7日分以上の水と食料の備蓄を推奨しています。
「7日分」と聞くと大変に感じるかもしれませんが、まずは「3日分」を目安に準備を始めることからお勧めします。
水の備蓄目安
飲料水は、命を守る上で最も重要です。一人あたり1日3リットルを目安に準備しておくと安心です。これは飲むことだけでなく、調理にも使用することを想定した量です。
- 大人1人あたりの目安: 1日あたり3リットル × 3日分 = 9リットル
- 4人家族（大人2人、子供2人）の目安: 1日あたり（3リットル×2人 + 子供に必要な量）× 3日分
子供の年齢によって必要な量は異なりますが、小さなお子様がいる場合は、大人よりも少し多めに用意しておくと良いでしょう。
これとは別に、トイレを流したり、体を拭いたりするための「生活用水」も必要になる場合があります。お風呂の水をいつも張っておく、ポリタンクに水を汲み置きしておくといった方法があります。
食料の備蓄目安
食料は、栄養を確保し、体力を維持するために必要です。火や水を使わずに食べられるものや、パックご飯、レトルト食品など、簡単に調理できるものを中心に準備します。
- 1人あたりの目安: 1日3食 × 3日分 = 9食分 + α（おやつなど）
- 4人家族の目安: 1日12食分 × 3日分 = 36食分 + α
家族の好みを考慮しつつ、栄養バランスも考えて variety豊かに準備しておくと良いでしょう。
具体的にどんな水・食料を準備する？
水の備蓄の具体例
- ペットボトル入りの飲料水: 2リットルや500ミリリットルのペットボトルが一般的です。箱で購入しておくと、場所も取りにくく便利です。賞味期限は通常2〜5年程度あります。
- ウォーターサーバー用のボトル: 契約している場合は、予備のボトルを多めに確保しておくことも有効です。
- ポリタンク: 大量の水をまとめて備蓄するのに適しています。ただし、定期的に水を入れ替える必要があります。
公園の水道水など、飲用に適さない水を貯めるためのポリタンクも別にあると、生活用水として活用できます。
食料の備蓄の具体例
- 非常食:
- アルファ米（お湯または水で戻せるご飯）
- フリーズドライ食品（スープ、おかゆなど）
- レトルト食品（カレー、丼ものの素など）
- 缶詰（おかず、果物、魚など）
- 栄養補助食品（バランス栄養食バーなど）
- 日常備蓄（ローリングストック）:
- カップ麺、袋麺
- レトルトご飯
- 缶詰（ツナ缶、さば缶など）
- フリーズドライ味噌汁
- インスタントスープ
- 長期保存可能なパンやお菓子
- 乾物（パスタ、うどん、乾燥わかめなど）
日常備蓄は、「普段食べているものを少し多めに買い置きし、古いものから消費して買い足していく」という方法です。これにより、常に一定量の食料を家庭に備えつつ、賞味期限切れを防ぐことができます。特別な非常食だけでなく、普段から慣れている味のものを備蓄しておくと、災害時も安心感につながります。
子供がいる家庭向けの追加備蓄品
小さなお子様がいる場合は、以下のものも考慮しておくと良いでしょう。
- 粉ミルク、液体ミルク
- 離乳食（フリーズドライやパウチタイプ）
- ベビーフード
- 子供向けのおやつ（長期保存可能なもの）
- アレルギー対応が必要な場合は、専用の食品
これらの食品は、普段からお子様が食べ慣れているものを選ぶと、ストレスなく口にしやすいでしょう。
備蓄品はどこで買える？
水や日常備蓄品は、お近くのスーパーやドラッグストアで手軽に購入できます。非常食や長期保存水などは、ホームセンター、ディスカウントストア、またはAmazonや楽天市場などのオンラインストアでも様々な種類が販売されています。
100円ショップでも、缶詰やレトルト食品、お菓子など、備蓄に役立つ食品が見つかることがあります。まずは無理のない範囲で、身近な場所から少しずつ揃えていくことをお勧めします。
備蓄品を忘れないために 定期的なチェックと管理
備蓄した水や食料には賞味期限があります。いざという時に期限が切れていた、ということにならないよう、定期的に（例: 半年に一度、防災の日や家族の誕生日など）内容を確認し、古いものから消費して新しいものを買い足す「ローリングストック」の実践が非常に有効です。
備蓄リストを作成し、チェックしながら管理すると、何がどのくらいあるか、いつ賞味期限が来るかが分かりやすくなります。家族みんなで備蓄場所や内容を共有しておくことも大切です。
まとめ
ゲリラ豪雨や線状降水帯といった豪雨災害は、いつ発生するか予測が難しいものです。しかし、日頃から水と食料を準備しておくことで、災害発生時の不安を軽減し、自宅での安全確保につながります。
まずは「3日分」を目安に、水と食料の備蓄から始めてみましょう。特別なものを用意しなくても、日常的に使う食品を少し多めに買い置きする「ローリングストック」なら、手軽に始めることができます。
この記事が、あなたの家庭での豪雨対策備蓄の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。完璧を目指す必要はありません。できることから、少しずつ備えを進めていきましょう。